環境WG #08これからの木造建築・木質化

持続可能な社会を実現する木造・木質化

山下設計は、汎用性の高い工法を追求することで、従来の鉄やコンクリートを木に置き換える
「用途・規模を限らない幅広い建築物への木質材料の活用」

各地域の森林資源の有効活用や、加工・運搬等によって生じるエネルギー・CO2を視野に入れた
「地産地消の木材利用」

この2つの視点から木造・木質化の推進に取り組みます。
日本が伝統的に培ってきた木造技術と現代の技術を組み合わせることで
持続可能な社会を実現する木造・木質化建築物を提案します。

木造・木質化 エンボディドカーボン削減

木造・木質化による建物躯体量の削減、
CO2排出量の少ない建築材料の選定に加え、
建物更新のしやすさ、解体後のリユースなどを見据えた汎用性の高い工法により、
建物に関わるエンボディドカーボンの削減に取り組みます。

柱梁軸組形式
合わせ梁組立手順

東部地域振興ふれあい拠点施設(ふれあいキューブ)

6階建て建物の上部2層の木造化により、建物全体を軽量化するとともに、下階の鉄骨・コンクリート躯体量も削減することで、エンボディドカーボンの大幅な削減を図っています。

木造部は特殊な工法を使用せず、在来軸組工法で構成することで、大型建築物への木造の普及の可能性を高めています。
また、リユースを視野にいれた解体しやすい木造ディテールを採用しました。

木材利用による林業活性化・地産地消の推進

カーボンニュートラルの実現には、
CO2の吸収を担う、国内林業の持続的な成長が不可欠です。
木を無駄なく、かつ有効に使うことで
国内林業の活性化に寄与する木造建築を実現します。
また、建築の設計・建設過程での地域の方とのワークショップなどを通して、
「地産地消の意識」の向上を目指します。

製材破材の建材利用
県民とともに伐採した広葉樹を建材に

立田山憩いの森・お祭り広場公衆トイレ「森と人の輪」

「木を無駄なく使う」をテーマに、通常建築で用いられない小径材の丸太や、製材時の破材、広葉樹を建築材料として活用しました。

熊本県内の地産地消の推進のために、県民と共に、広葉樹の伐採や、製材破材を焼杉にするワークショップを行いました。

国内の普及を視野に入れた木造技術の追求

非住宅における木造の普及のためには、
特殊な技術を用いず、シンプルな工法で作れる木造システムの構築が重要です。
私達は、住宅で普及している在来軸組工法やツーバイフォー工法などを、
非住宅でも積極的に活用して設計を行い、木造普及への貢献を目指します。
また、製造や運搬に関わるCO2排出量が少ない、地場産の製材や無垢材活用することで、
より高いレベルの脱炭素に向けた木造建築を実現します。

当麻町役場

地域産のカラマツ流通製材で大規模なオフィスをつくる試み。
標準スパンを木造住宅と同等の3.64mとし、120角の製材を組み合わせることで、建設コストを抑えるとともに、独自性の高い執務環境を実現しました。