国際設計監理部/2015入社
加茂 佑磨
就職活動をしていた時に参加した山下設計の会社説明会で、私の地元の市庁舎のプロポーザルに当選したという話を聞き、親近感が沸いたのがきっかけです。よくよく調べてみると他にも地元の図書館など、幼い頃から親しみのあった場所が山下設計の作品だとわかり、「ここで働いてみたい」と思うようになりました。内定後にその時の市庁舎の模型を作るアルバイトをさせてもらい、嬉しかったことを今でも覚えています。
また、実際に会社説明会や面接を受けて感じた印象として、山下設計には非常に落ち着いた印象があり、組織の規模感の面でも自分に合っていると感じたことも後押ししました。
現在担当している南米のプロジェクトでは、樹木を大切にする文化が根強く、建築許可申請に樹木の計画図が求められます。例えば「既存の樹木を伐採する場合、新たに10本植樹しなければならない」という指導があり、基本設計の段階から外構計画を詰める必要があります。一方で「植える時期に決まりはない」とか、「敷地内に植樹できない場合は、公園や道路でよい」といった寛容さがあり、ラテンの大らかなマインドに触れることができます。話していても、皆さん日本ではあまり見かけないチャーミングさを持っているので、そういう方々と接する機会があるのも印象的です。
また、その国の貿易圏がどこに属しているか、歴史的或いは地理的に諸外国との関係はどうなっているか等、社会の大きな枠組が建設資機材の調達や材料規格に密接に関わってきます。各地の固有の情勢を知ることで自分の世界・そして仕事の可能性が広がっていく感覚はこの仕事の醍醐味だと思います。
海外のプロジェクトでは、現地出張中の限られた滞在期間でクライアントの合意を得なければならないシーンが多く、予想外の調査結果や要望が出てくることも少なくありません。最近では、臨機応変に対応しつつ、確実に合意形成を行っていく上でVRツールをうまく活用しています。日本から海外へ模型を持っていくことが難しい一方で、CGでの建築体験は、場所性を選ばずクライアントと一緒に楽しみながらポジティブな議論ができます。ビジュアルは言語フリーなので、今後も最新の技術に耳を傾けながら設計業務に発展させていきたいと思っています。
海外出張で家を空けることもあるので、妻や子どもたちとの家族の時間を大切にしています。子育て世代は、フレックス制度の拡大利用ができるので、朝は家事や幼稚園のお見送りをしてから出勤するのがルーティーンです。
また、1人目が生まれた直後にどうしても海外出張しなければならなかったこともあり、2人目が生まれた直後は家事や育児に時間を確保したいと考え、合計で2カ月近く育休を取得しました。仕事から離れる不安もありましたが、家族と過ごしながらエネルギーをチャージして、復帰後の最初に担当したプロポーザルで幸いにも当選できました。今は、そのプロジェクトの主担当として設計に取り組めています。