長崎市の中心に位置する長崎市庁舎は竣工から60年以上が経過し、老朽化や耐震性の課題を解消するため、大規模災害に対して機能を止めることのない災害時の対応拠点として、建替えプロジェクトが計画されました。
計画地は戦後復興のシンボルであった旧長崎市公会堂の跡地で、市の古くからの賑わいと文化の中心地区に位置します。日常的に市民が訪れる市庁舎がその賑わいに貢献することが重要と考え、まとまった広場空間や、広場に面した待合スペース、テラスを持つ多目的スペース・食堂、長崎の大景観を一望できる屋上庭園などにより用事の前後、あるいは用事がなくても自由に過ごせる空間づくりを目指しました。
建物はRC格子フレームとCLT耐震パネルによる「外殻構造」により免震構造の効果を高めるとともに、格子フレームによる日射遮蔽、CLTパネルによる断熱性能の向上を図っています。このような外皮構成を基本に天井放射空調などの設備システムを組み合わせてZEB Readyの認証を受けています。
防災拠点としての耐震性と社会的要請としての脱炭素を兼ね備えた新しい長崎市庁舎として生まれ変わりました。
所在地 | 長崎県長崎市 |
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竣工年月 | 2023年3月 |
延床面積 | 51,752㎡ |
構造 | 地上:S造、RC造一部SRC造、CLT耐震パネル 地下:RC造、免震構造 |
階数 | 地上19階、地下1階 |